公正証書遺言で確実に想いを遺す完全ガイド

公正証書遺言で確実に想いを遺す完全ガイド

公正証書遺言の作り方を、準備から完成まで徹底的に解説します。

公正証書遺言の作成方法完全ガイド


公正証書遺言の作成方法完全ガイド|手続きの流れと必要書類を徹底解説


「遺言書を作りたいけれど、どうすれば法的に有効なものになるのか不安」「自筆で書いた遺言が無効になったらどうしよう」そんな悩みをお持ちではありませんか。


遺言書には複数の種類がありますが、中でも公正証書遺言は、公証人が作成に関与するため法的に最も確実で、紛失や改ざんのリスクも低い方式です。しかし、手続きの流れや必要書類がわからず、作成を先延ばしにしている方も多いのが実情です。


この記事でわかること:


・公正証書遺言の基礎知識と他の遺言形式との違い


・作成手続きの具体的な流れとステップ


・必要書類と費用の目安


・専門家に依頼するメリットと当事務所のサポート内容


・今すぐ取るべき具体的なアクション



1. 公正証書遺言とは?基礎知識を理解する


公正証書遺言の定義

公正証書遺言とは、遺言者が公証役場で公証人に遺言の内容を口述し、公証人がこれを筆記して作成する遺言書です。民法第969条に規定されており、法律の専門家である公証人が関与するため、法的な有効性が極めて高いのが特徴です。


作成時には証人2名の立会いが必要で、遺言者・公証人・証人全員が署名・押印することで完成します。原本は公証役場に保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。


他の遺言形式との比較


項目 公正証書遺言 自筆証書遺言 秘密証書遺言
作成方法 公証人が作成 全文を自筆 内容は秘密、公証人が封印
証人 2名必要 不要 2名必要
費用 数万円〜 無料(保管制度利用時3,900円) 11,000円+手数料
保管場所 公証役場(原本) 自宅または法務局 自宅
検認 不要 必要(法務局保管時は不要) 必要
紛失リスク 極めて低い あり あり
無効リスク 極めて低い やや高い やや高い


なぜ公正証書遺言が重要なのか

公正証書遺言が推奨される理由は、以下の点にあります。


法的確実性の高さ: 公証人という法律の専門家が作成に関与するため、形式不備による無効のリスクがほぼゼロです。自筆証書遺言では、日付の記載漏れ、押印忘れ、加除訂正の方式違反などで無効になるケースが後を絶ちません。


紛失・改ざん防止: 原本が公証役場に半永久的に保管されるため、紛失や破棄、第三者による改ざんの心配がありません。相続発生時には、全国どこの公証役場からでも遺言の存在を検索できます。


家族間トラブルの予防: 公的機関が作成した遺言書という信頼性があるため、相続人間での「本当に本人が書いたのか」「認知症だったのではないか」といった疑義を招きにくく、相続争いの予防につながります。


2. よくある悩み・トラブル事例


ケース1:自筆証書遺言が無効になったケース

【事例】


Aさん(78歳)は、自宅で自筆の遺言書を作成し、金庫に保管していました。相続発生後、家族が遺言書を発見して家庭裁判所で検認手続きを行ったところ、日付が「令和5年3月吉日」と記載されていたため、民法の要件を満たさず無効と判断されました。結果として、Aさんの希望とは異なる法定相続分での分割となり、相続人間で紛争が発生しました。


自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、法律で定められた厳格な要件を満たす必要があります。わずかな形式違反でも無効になってしまうリスクがあるのです。


ケース2:遺言書が見つからなかったケース

【事例】


Bさんは生前「遺言書を書いてある」と家族に伝えていましたが、相続発生後、自宅のどこを探しても遺言書が見つかりませんでした。後に判明したことですが、Bさんは心配性で何度も書き直し、最終的にどこに保管したか本人も忘れてしまっていたようです。遺言書がないまま、法定相続での手続きとなり、Bさんの意思は実現されませんでした。


自宅保管の遺言書は、紛失や発見されないリスクが常につきまといます。公正証書遺言であれば、公証役場に原本が保管されるため、このような事態は防げます。


ケース3:認知症を理由に遺言の有効性が争われたケース

【事例】


Cさんが80歳で作成した自筆証書遺言について、相続人の一人が「作成時点で認知症が進行しており、遺言能力がなかった」と主張し、遺言無効確認訴訟を提起しました。結果として3年以上の裁判となり、相続人間の関係は完全に破綻してしまいました。


公正証書遺言の場合、作成時に公証人が遺言者と面談し、意思能力を確認します。また、証人2名も立ち会うため、後から遺言能力が争われるリスクが大幅に低減されます。


放置するとどうなるか

遺言書の作成を先延ばしにすると、以下のようなリスクが生じます。


  • 法定相続による分割: あなたの意思とは関係なく、法律で定められた割合で財産が分割されます
  • 相続人間の争い: 「親はこう言っていた」という主張が食い違い、家族関係が悪化します
  • 判断能力の低下: 認知症などで判断能力が低下してからでは、有効な遺言書を作成できません
  • 手続きの複雑化: 相続人全員の合意が必要となり、不動産の名義変更や預金の解約に時間がかかります


3. 公正証書遺言作成の流れと手続き


ステップ1:遺言内容の整理(1〜2週間)

まず、どの財産を誰に相続させるのかを明確にします。財産目録を作成し、不動産、預貯金、有価証券、その他の資産をリストアップしましょう。


【ポイント】

・相続人の確定(戸籍謄本で相続関係を確認)

・財産の特定(不動産は登記事項証明書、預金は通帳で確認)

・遺留分への配慮(法定相続人には最低限の取り分があります)

・付言事項の検討(法的効力はありませんが、想いを伝えることができます)


ステップ2:必要書類の収集(1〜2週間)

公正証書遺言の作成には、以下の書類が必要です。


書類名 取得場所 備考
遺言者の印鑑登録証明書 市区町村役場 発行から3ヶ月以内
遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本 本籍地の市区町村役場 相続人全員分
財産を相続人以外に渡す場合:受遺者の住民票 市区町村役場 -
不動産の登記事項証明書 法務局 不動産を相続させる場合
不動産の固定資産評価証明書 市区町村役場 不動産を相続させる場合
預貯金通帳のコピー - 金融機関名・支店名・口座番号
証人予定者の住民票(※) 市区町村役場 専門家に依頼する場合は不要


※証人には、未成年者、推定相続人、受遺者およびその配偶者・直系血族は就けません。


ステップ3:公証人との打ち合わせ(1〜2週間)

必要書類を揃えたら、公証役場に連絡して面談の予約を取ります。公証人に遺言の内容を説明し、法的に適切な文言で遺言書の原案を作成してもらいます。


この段階で、遺言内容に法的な問題がないか、遺留分侵害のリスクはないかなどをチェックしてもらえます。原案が完成したら、内容を確認し、必要に応じて修正を依頼します。


ステップ4:証人の手配

公正証書遺言の作成には、証人2名の立会いが必要です。証人は法律で欠格事由が定められており、相続人や受遺者、その配偶者・子などは証人になれません。


適任者がいない場合は、行政書士などの専門家に証人を依頼することができます。当事務所でも証人のご紹介が可能です。


ステップ5:公証役場で遺言書作成(所要時間:1〜2時間)

約束の日時に、遺言者・公証人・証人2名が公証役場に集まり、以下の流れで遺言書を作成します。


  1. 遺言者が公証人に遺言の内容を口述
  2. 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせる
  3. 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認後、各自署名・押印
  4. 公証人が法律に従って作成されたことを付記して署名・押印


遺言者は実印を持参します。証人は認印でも可能です。


費用の目安

公正証書遺言の作成には、公証人手数料がかかります。手数料は遺言で相続させる財産の価額によって決まります。


相続財産の価額 手数料
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円
1億円を超える場合 43,000円+超過額5,000万円ごとに13,000円加算


※財産の価額は、受遺者ごとに計算します


※遺言加算として、上記手数料の合計額に11,000円が加算されます


※遺言書の枚数が3枚を超える場合、超過1枚につき250円加算されます


具体例: 妻に2,000万円、長男に1,500万円、長女に1,000万円を相続させる場合


妻:23,000円 + 長男:23,000円 + 長女:17,000円 = 63,000円


遺言加算:11,000円


合計:74,000円


4. 行政書士に依頼するメリット


自分でやる場合との比較


項目 自分で作成 行政書士に依頼
書類収集 自分で各所を回る必要あり 代行取得可能
遺言内容の検討 自己判断(遺留分侵害等のリスク) 専門的アドバイス
文案作成 自分で考える必要あり 法的に適切な文言で作成
公証人との調整 自分で連絡・打ち合わせ 全て代行
証人の手配 自分で依頼する必要あり 手配可能
所要期間 1〜2ヶ月 2〜3週間
精神的負担 大きい 小さい


専門家に依頼するメリット


1. 法的リスクの回避


遺言書の内容によっては、遺留分を侵害してしまい、相続発生後に遺留分侵害額請求訴訟を招くことがあります。行政書士は相続法の専門知識を持ち、法的リスクを最小限に抑えた遺言内容をご提案します。


2. 煩雑な手続きからの解放


戸籍謄本や登記事項証明書など、複数の書類を様々な役所から取り寄せる必要があります。平日に時間を取れない方にとって、これは大きな負担です。行政書士に依頼すれば、必要書類の取得を代行できます。


3. 公証人との調整をスムーズに


公証役場とのやり取りは、初めての方には難しく感じられることもあります。行政書士が間に入ることで、公証人との打ち合わせや日程調整、文案の確認などがスムーズに進みます。


4. 証人の確保


法律上、相続人やその家族は証人になれません。適任の証人を2名確保することは意外と難しいものです。行政書士に依頼すれば、証人の手配も含めて対応します。


5. 相続税対策も含めた総合的なアドバイス


遺言書の作成は、相続税対策や生前贈与とセットで検討すべきケースもあります。行政書士は税理士とも連携し、総合的な相続対策をサポートします。


当事務所でできること


当事務所の公正証書遺言作成サポート


  • 初回相談(60分):遺言内容のヒアリングと法的アドバイス

  • 財産目録の作成:お持ちの財産を整理しリスト化

  • 必要書類の収集代行:戸籍謄本、登記事項証明書等の取得

  • 遺言書文案の作成:法的に適切で、あなたの想いを反映した内容に

  • 公証役場との調整:公証人との打ち合わせ、日程調整等を代行

  • 証人の手配:信頼できる証人2名をご紹介

  • 当日の立会い:公証役場での作成時に同席してサポート

  • 相続発生後の手続きサポート:必要に応じて相続手続きもご支援




料金: 80,000円〜(公証人手数料は別途)

※財産の内容や相続人の数によって異なります。初回相談時にお見積りいたします


5. よくある質問(FAQ)


公正証書遺言は何歳から作成できますか?

満15歳以上であれば作成可能です。ただし、遺言能力(遺言の内容を理解し判断する能力)が必要ですので、認知症などで判断能力が低下している場合は作成できません。元気なうちに作成することをお勧めします。


一度作成した公正証書遺言を変更できますか?

はい、いつでも変更・撤回が可能です。新しい遺言書を作成すれば、内容が抵触する部分については新しい遺言が優先されます。全面的に変更したい場合は、新たに公正証書遺言を作成し直すことが一般的です。


夫婦で一緒に1つの遺言書を作成できますか?

いいえ、できません。民法では共同遺言(2人以上が同一の証書で遺言すること)を禁止しています。ご夫婦で遺言書を作成される場合は、それぞれ別々に作成する必要があります。


公正証書遺言を作成したことを家族に伝えるべきですか?

必ず伝える義務はありませんが、遺言書を作成したこと、正本の保管場所については信頼できる家族に伝えておくことをお勧めします。ただし、詳細な内容まで伝えるかどうかは、ご家族の状況に応じて判断してください。


公証役場はどこでも利用できますか?

全国どこの公証役場でも作成可能です。ただし、遺言者が病気等で公証役場に出向けない場合は、公証人に自宅や病院まで出張してもらうこともできます(別途出張費用が必要)。当事務所では、お近くの公証役場のご紹介や、出張対応が必要な場合の調整もサポートいたします。


遺留分を侵害する内容でも遺言書は作成できますか?

法的には作成可能です。ただし、相続発生後に遺留分権利者から遺留分侵害額請求をされる可能性があります。遺留分は兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた最低限の取り分です。トラブルを避けるためには、遺留分に配慮した内容にするか、付言事項で理由を丁寧に説明することをお勧めします。


公正証書遺言の存在を相続人はどうやって知ることができますか?

相続発生後、相続人は全国の公証役場で遺言書の検索ができます。公証役場に相続人であることを証明する書類(戸籍謄本等)を持参すれば、遺言書の有無や保管されている公証役場を確認できます。このシステムにより、遺言書の存在が見落とされるリスクが低減されています。


6. まとめ:今すぐ取るべきアクション


公正証書遺言の作成は、あなたの大切な財産を確実に希望する人に承継させ、家族の争いを防ぐための重要な手段です。先延ばしにせず、元気なうちに準備を始めましょう。


公正証書遺言作成のチェックリスト

  • 財産の棚卸し: 不動産、預貯金、有価証券、その他の財産をリストアップする
  • 相続人の確認: 誰が法定相続人になるのかを確認する(配偶者、子、親、兄弟姉妹)
  • 遺言内容の検討: 誰に何を相続させたいのか、具体的に考える
  • 遺留分の確認: 遺留分を侵害していないか、侵害する場合のリスクを理解する
  • 専門家への相談: 法的リスクや税務面での注意点について専門家に相談する
  • 必要書類の準備: 戸籍謄本、印鑑証明書、登記事項証明書等を収集する
  • 公証役場への連絡: 最寄りの公証役場に連絡し、面談の予約を取る
  • 証人の手配: 適任の証人2名を確保する(専門家に依頼も可能)


次のステップ

公正証書遺言の作成を決断されたら、以下のいずれかのアクションを起こしましょう。


【パターン1】自分で作成する場合


1. 財産目録を作成する


2. 必要書類を収集する


3. 最寄りの公証役場に電話で相談予約を取る


4. 証人を2名確保する


5. 公証人と打ち合わせを行う


【パターン2】専門家に依頼する場合(推奨)


1. 当事務所の無料相談を予約する


2. 相談時に財産状況や希望する遺言内容を伝える


3. 見積りと今後の流れを確認する


4. 正式に依頼する場合は、必要書類の取得を依頼


5. あとは専門家にお任せ


【重要な注意点】


認知症などで判断能力が低下してからでは、有効な遺言書を作成できません。「まだ元気だから大丈夫」と先延ばしにせず、今すぐ準備を始めることが大切です。遺言書は何度でも書き直せますので、まずは作成することを優先しましょう。


7. 無料相談のご案内

無料相談の流れ

  1. お問い合わせ
    お電話またはメールフォームからご連絡ください
  2. 日程調整
    ご都合の良い日時を調整します(平日夜間・土日も対応可)
  3. 相談(60分程度)
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