建設業許可新規取得完全ガイド
「工事の受注額が500万円を超えそうだけど、建設業許可ってどうやって取るの?」「書類が複雑すぎて何から手をつければいいかわからない...」そんな悩みを抱えていませんか?
建設業許可の新規取得は、経営者や個人事業主にとって事業拡大の重要なステップです。しかし、複雑な要件や膨大な書類準備に戸惑う方が非常に多いのが現実です。許可がないまま500万円以上の工事を請け負うと、建設業法違反で罰則の対象になってしまいます。
この記事でわかること:
✓ 建設業許可の基礎知識と取得が必要なタイミング
✓ 許可要件の詳細と確認方法
✓ 申請手続きの具体的な流れとステップ
✓ 必要書類と準備のポイント
✓ 申請期間・費用の目安
✓ よくあるトラブルと対処法
建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負う際に、建設業法に基づいて都道府県知事または国土交通大臣から受ける許可のことです。軽微な建設工事(税込500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満)のみを請け負う場合を除き、建設業を営むには必ず取得しなければなりません。
建設業許可を取得することで、以下のようなメリットがあります。
事業拡大の機会: 500万円以上の工事を受注できるようになり、より大きなプロジェクトに参画できます。元請業者から下請として選ばれる際も、許可業者であることが条件になることが多くあります。
社会的信用の向上: 建設業許可を持っていることは、一定の技術力と財務基盤を備えている証明になります。金融機関からの融資や、取引先からの信頼獲得にもつながります。
公共工事への参入: 公共工事の入札に参加するには、建設業許可の取得が前提条件となります。事業の幅を広げる上で不可欠な資格です。
注意: 許可を取得せずに500万円以上の工事を請け負った場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。「知らなかった」では済まされない重大な法令違反ですので、必ず事前に許可を取得しましょう。
建設業許可を取得するには、専任技術者として10年以上の実務経験または資格が必要です。しかし、「長年働いてきたのに証明する書類がない」というケースが非常に多く見られます。
特に、個人事業主として活動してきた方や、小規模な会社で働いていた方は、工事の請負契約書や注文書を保管していないことがあります。また、雇用されていた期間の証明として必要な社会保険の加入記録がない場合もあります。
放置するとどうなるか: 実務経験を証明できなければ、許可申請そのものができません。資格取得のために数年間の勉強期間が必要になったり、有資格者を新たに雇用するコストが発生したりします。
建設業許可を取得するには、500万円以上の資金調達能力が必要です。会社の決算書上で純資産額が500万円以上あるか、または銀行の残高証明書で500万円以上の預金があることを証明しなければなりません。
創業間もない会社や、赤字決算が続いている会社では、この要件をクリアできないケースがあります。「工事は順調に受注できているのに、帳簿上の数字が足りない」という相談も少なくありません。
放置するとどうなるか: 財産的基礎要件を満たさないまま申請しても、確実に不許可になります。再申請には時間とコストがかかり、その間は大きな工事を受注できないため、ビジネスチャンスを逃すことになります。
建設業許可の申請には、30種類以上の書類が必要になることもあります。登記事項証明書、納税証明書、身分証明書、経営業務管理責任者の経歴を証する書面など、複数の役所を回って取得する必要があります。
本業の合間に書類を集めようとすると、数ヶ月かかってしまうこともあります。「急いで許可が必要なのに、書類集めだけで2ヶ月経ってしまった」という声もよく聞かれます。
放置するとどうなるか: 許可取得が遅れることで、大型案件の受注機会を逃したり、元請業者との信頼関係に影響が出たりする可能性があります。特に公共工事の入札などは期限が決まっているため、タイミングを逃すと次年度まで待たなければなりません。
建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
建設業の経営業務について、一定の経験を有する者が常勤で在籍していることが必要です。具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。
個人事業主として建設業を営んできた期間や、建設会社の取締役として経営に携わってきた期間が該当します。
営業所ごとに、許可を受けようとする建設業に関する専任の技術者を配置する必要があります。専任技術者となるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
申請者(法人の場合は役員全員、個人の場合は本人および支配人)が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことが必要です。具体的には、過去に建設業法違反で処分を受けていないこと、暴力団関係者でないことなどが確認されます。
一般建設業許可の場合、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
以下のような欠格事由に該当しないことが必要です。
ポイント: これら5つの要件は、いずれも客観的な証明が必要です。「実際には経験があるが証明できない」では許可は下りません。事前にしっかりと要件を満たしているか確認し、証明書類を準備することが重要です。
STEP1:要件確認(1〜2週間)
まず、前述の5つの要件をすべて満たしているか確認します。特に経営業務管理責任者と専任技術者の要件については、証明書類が揃えられるかを慎重にチェックする必要があります。要件を満たしていない場合は、満たすための対策を検討します。
STEP2:必要書類の収集(2〜4週間)
申請に必要な書類を各機関から取り寄せます。登記事項証明書は法務局、納税証明書は税務署、身分証明書は本籍地の市区町村役場など、複数の窓口を回る必要があります。書類によっては取得に時間がかかるものもあるため、余裕を持って準備を始めましょう。
STEP3:申請書類の作成(1〜2週間)
建設業許可申請書、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額など、多数の書類を作成します。記載内容に誤りがあると補正や差し戻しになるため、慎重に作成する必要があります。
STEP4:申請書の提出(1日)
都道府県知事許可の場合は都道府県の建設業課、国土交通大臣許可の場合は地方整備局に申請書を提出します。申請時に手数料(知事許可の場合9万円、大臣許可の場合15万円)を納付します。
STEP5:審査期間(30〜90日)
行政機関による書類審査が行われます。不備があれば補正を求められることもあります。この期間は申請者側で何かする必要はありませんが、連絡が取れる状態にしておく必要があります。
STEP6:許可通知(1日)
審査が完了し、要件を満たしていると認められれば、許可通知書が交付されます。許可通知書を受け取った日から、正式に建設業許可業者として営業できるようになります。
| 書類名 | 取得先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建設業許可申請書 | 申請者が作成 | 正本1部、副本1部を提出 |
| 工事経歴書 | 申請者が作成 | 直前1年の主な工事を記載 |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 申請者が作成 | 決算書と整合性を取る |
| 使用人数 | 申請者が作成 | 常勤役員、技術職員等の人数 |
| 誓約書 | 申請者が作成 | 欠格要件に該当しない旨を誓約 |
| 登記事項証明書 | 法務局 | 発行後3ヶ月以内のもの |
| 納税証明書 | 税務署 | 法人税・事業税・消費税 |
| 財務諸表(貸借対照表・損益計算書) | 申請者が作成 | 直前決算期のもの |
| 残高証明書 | 金融機関 | 申請日前1ヶ月以内のもの |
| 経営業務管理責任者の経歴を証する書面 | 申請者が作成+証明書類 | 確定申告書、契約書、社会保険加入記録など |
| 専任技術者の資格証明書または実務経験証明 | 申請者が作成+証明書類 | 資格証のコピー、または実務経験の証明書類 |
| 健康保険・厚生年金保険の加入を証する書面 | 年金事務所等 | 社会保険料納入証明書など |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村 | 役員全員分が必要 |
| 登記されていないことの証明書 | 法務局 | 成年被後見人等でないことの証明 |
| 略歴書 | 申請者が作成 | 経営業務管理責任者・専任技術者の略歴 |
ポイント: 都道府県によって必要書類が若干異なる場合があります。また、法人か個人か、新規か更新かによっても必要書類が変わります。申請前に管轄の行政窓口で最新の書類リストを確認することをおすすめします。
建設業許可の新規取得には、準備期間から許可取得まで、通常2〜4ヶ月程度かかります。
| 工程 | 期間 |
|---|---|
| 要件確認 | 1〜2週間 |
| 必要書類の収集 | 2〜4週間 |
| 申請書類の作成 | 1〜2週間 |
| 行政審査 | 30〜90日(都道府県により異なる) |
| 合計 | 2〜4ヶ月程度 |
特に、実務経験の証明書類が不足している場合や、財産的基礎要件を満たすための対策が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 都道府県知事許可の申請手数料 | 90,000円 |
| 国土交通大臣許可の申請手数料 | 150,000円 |
| 登記事項証明書 | 600円/通 |
| 納税証明書 | 400円/枚 |
| 身分証明書 | 300円/通 |
| 登記されていないことの証明書 | 300円/通 |
| 残高証明書 | 500〜1,000円程度 |
| その他(交通費、郵送費など) | 5,000〜10,000円程度 |
自分で申請する場合、最低でも10万円程度の費用がかかります。また、専門家に依頼する場合は、別途報酬が必要になります(次のセクションで詳しく説明します)。
| 項目 | 自分で申請 | 専門家に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 10万円程度(実費のみ) | 15〜25万円程度(実費+報酬) |
| 準備期間 | 2〜4ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 作業負担 | 非常に大きい | ほとんどなし |
| 不許可リスク | 書類不備のリスクあり | ほぼゼロ |
| 要件確認 | 自己判断が必要 | 専門家が正確に判断 |
| 本業への影響 | 大きい(時間を割く必要) | 小さい |
1. 時間と手間の大幅削減
建設業許可の申請には、30種類以上の書類を用意し、複数の役所を回る必要があります。本業で忙しい経営者にとって、この作業負担は非常に大きなものです。専門家に依頼すれば、書類収集から作成まで一括して任せられるため、本業に集中できます。
2. 正確な要件判断
「実務経験は認められるのか」「この資格で専任技術者になれるのか」といった判断は、建設業法の知識がなければ難しいものです。専門家は、個別のケースに応じて正確に要件を判断し、最適な申請方法を提案できます。要件を満たしていない場合も、どのように対策すればよいかアドバイスを受けられます。
3. 不許可リスクの回避
申請書類に不備があると、補正や差し戻しになり、許可取得が大幅に遅れます。最悪の場合、不許可となり、再申請が必要になることもあります。専門家は、行政の審査基準を熟知しているため、一度の申請で許可を取得できる可能性が高まります。
4. 最新の法令改正への対応
建設業法は定期的に改正されており、申請手続きや要件も変更されることがあります。専門家は常に最新の情報を把握しているため、法改正にも適切に対応できます。
5. 許可取得後のフォロー
建設業許可は取得して終わりではなく、毎年の決算変更届や5年ごとの更新など、継続的な手続きが必要です。専門家に依頼すれば、取得後のサポートも受けられ、長期的に安心して事業を続けられます。
当事務所では、建設業許可の新規取得から更新、各種変更届まで、トータルサポートを提供しています。
当事務所のサポート内容:
特に、「急いで許可が必要」「本業が忙しくて時間が取れない」「過去に自分で申請して不許可になった」といった方には、専門家のサポートを強くおすすめします。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
はい、取得できます。法人でも個人でも、要件を満たしていれば建設業許可を取得することが可能です。ただし、個人事業主の場合は、本人が経営業務管理責任者と専任技術者を兼ねることが多いため、両方の要件を満たす必要があります。
書類準備から許可取得まで、通常2〜4ヶ月程度かかります。ただし、実務経験の証明が困難な場合や、財産的基礎要件を満たすための対策が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。専門家に依頼すれば、準備期間を短縮できる可能性があります。
はい、なれます。国家資格がなくても、許可を受けようとする建設業に関して10年以上の実務経験があれば、専任技術者の要件を満たします。ただし、実務経験を客観的に証明できる書類(契約書、注文書、請求書など)が必要です。
はい、できます。建設業許可は29業種に区分されており、複数の業種を同時に申請することが可能です。ただし、業種ごとに専任技術者の要件を満たす必要があります。複数業種を取得する場合でも、申請手数料は変わりません。
純資産額が500万円以上あれば、現金である必要はありません。貸借対照表上の純資産額で判断されます。ただし、純資産額が500万円未満の場合は、銀行の残高証明書で500万円以上の預金があることを証明する必要があります。この場合は現金(預金)が必要です。
はい、必要です。建設業許可を取得した後も、以下のような継続的な手続きが必要になります。
これらの手続きを怠ると、許可が失効したり、罰則を受けたりする可能性があるため注意が必要です。
はい、再申請できます。不許可の理由を解消すれば、再度申請することが可能です。ただし、申請手数料は再度必要になります。不許可になった場合は、行政から理由が通知されますので、その内容を確認し、適切に対応することが重要です。専門家に相談すれば、不許可の原因分析と対策をサポートしてもらえます。
建設業許可の新規取得は、事業拡大のための重要なステップです。しかし、複雑な要件と膨大な書類準備が必要なため、計画的に進めることが不可欠です。
ステップ1:要件の確認
まず、上記のチェックリストを使って、自社が建設業許可の要件を満たしているか確認しましょう。特に、経営業務管理責任者と専任技術者の要件については、証明書類が揃えられるかが重要です。
ステップ2:証明書類の確認
実務経験を証明する契約書、請求書、社会保険の加入記録など、過去の書類を探してみましょう。見つからない場合は、代替となる証明方法を検討する必要があります。
ステップ3:専門家への相談
要件を満たしているか不安な場合、書類準備に不安がある場合、急いで許可を取得したい場合は、専門家に相談することをおすすめします。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
ステップ4:申請準備の開始
要件を満たしていることが確認できたら、すぐに申請準備を始めましょう。許可取得まで2〜4ヶ月かかることを考慮し、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。
重要: 建設業許可は、「必要になってから取得する」のではなく、「必要になる前に取得しておく」ことが重要です。大きな案件の受注機会を逃さないためにも、早めの準備をおすすめします。
当事務所では、建設業許可の新規取得に関する無料相談を実施しています。
「自社が要件を満たしているか知りたい」
「どのような書類が必要か教えてほしい」
「急いで許可を取得したい」
「過去に不許可になった経験がある」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。建設業許可を専門とする行政書士が、あなたの状況に合わせた最適な方法をご提案します。
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